介護助手とは?シニア人材の活用で介護職員の負担軽減へ
介護業界では、人材不足への対応と介護職員の負担軽減を両立するため、「介護助手」を活用する取り組みが広がっています。
介護助手とは、介護福祉士などの専門職が担う直接的な介護業務ではなく、清掃や配膳、洗濯、片付けなどの周辺業務を担当する人材です。
地域のシニア世代が介護助手として働くことで、介護現場の人手不足を補うだけでなく、高齢者の社会参加や生きがいづくりにもつながります。
介護助手が介護職員の負担軽減につながる理由
介護施設では、入浴介助や食事介助、排せつ介助などの専門性が求められる業務に加えて、清掃、配膳、洗濯物の整理といった多くの周辺業務が発生します。
これらを介護職員がすべて担当すると、本来時間をかけるべき利用者へのケアに十分な時間を確保できない場合があります。
そこで、周辺業務を介護助手に切り分けることで、介護職員が専門業務に集中しやすい環境をつくることが可能です。
厚生労働省も、介護現場の業務を整理し、周辺業務を担う「介護助手」を活用することを、人材確保や生産性向上につながる取り組みの一つとして位置付けています。
シニア人材の活躍にもつながる介護助手
介護助手の特徴は、介護資格や専門的な経験がなくても、一定の業務を担える点にあります。
例えば、食事の準備や片付け、清掃、洗濯など、施設の運営に欠かせない仕事をシニア人材が担当することで、地域の人材を介護現場につなげられます。
内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、2024年の65歳以上の就業者は増加傾向にあり、「医療・福祉」で働く65歳以上の就業者は115万人となっています。
10年前と比較すると約2.3倍に増えており、医療・福祉分野におけるシニア人材の存在感は高まっています。
介護助手という選択肢を設けることで、「資格はないが介護業界で働いてみたい」「短時間で社会と関わりたい」という人材を採用できる可能性も広がるでしょう。
成功のポイントは「業務の切り分け」
一方、介護助手を採用するだけで、必ず職員の負担が軽くなるわけではありません。
重要なのは、誰が、どの業務を、どこまで担当するのかを明確にすることです。
例えば、食事の準備や片付けは介護助手、利用者への食事介助は介護福祉士などの専門職が担当するというように、業務範囲を具体化します。
さらに、業務マニュアルや研修、指導担当者を整備しておけば、安全性を確保しながら新たな人材を受け入れやすくなります。
介護助手の活用は、単なる人手不足対策ではありません。
「専門職が専門業務に集中できる体制」をつくるための業務改善として考えることが重要です。
介護人材不足への対応は「採用数」だけではない
介護業界の人材不足が続く中、これからの採用では、正社員や資格保有者だけに対象を限定しない考え方が求められます。
シニア、未経験者、短時間勤務希望者など、地域にいる多様な人材が活躍できる仕事を設計することが、採用の間口を広げる一つの方法です。
そのためには、まず現在の業務を洗い出し、「専門職でなければできない仕事」と「他の人材でも担える仕事」を整理することから始める必要があります。
介護助手の導入を採用施策と業務改善の両面から捉えることで、介護職員の負担軽減と人材確保を同時に進められる可能性があります。
出典
・厚生労働省「介護人材確保に向けた取組について」
・厚生労働省「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」
・内閣府「令和7年版高齢社会白書」
※本記事は、公開されている報道・公的資料をもとに、介護人材確保・業務改善の観点から編集したものです


