老老介護が61.9%に!75歳以上同士も37.1%、介護負担を支える仕組みが重要に

老老介護の割合が61.9%、介護する人とされる人の双方が75歳以上の世帯が37.1%となった厚生労働省の調査結果を示すイメージ

高齢者が高齢者を介護する「老老介護」が増えています。厚生労働省が2026年7月に公表した2025年「国民生活基礎調査」によると、要介護者と同居する主な介護者のうち、双方が65歳以上のケースは61.9%に達しました。

さらに、要介護者と同居の主な介護者がともに75歳以上の割合は37.1%となり、2001年の調査開始以降で最も高い水準です。高齢化が進む中、家族だけで介護を担うことの難しさが改めて浮き彫りになっています。

老老介護は「特別な家庭」の問題ではない

今回の調査では、要介護者と同居する主な介護者がいる世帯において、同居の割合は46.1%でした。そのうち、要介護者から見た続柄では「配偶者」が22.5%、「子」が18.2%となっています。

特に注目したいのが介護者の年齢です。要介護者と同居の主な介護者がともに60歳以上の割合は79.0%、65歳以上同士は61.9%、75歳以上同士でも37.1%に上ります。

つまり、介護する側も自身の健康や生活に不安を抱えやすい年代である可能性が高く、介護負担が長期化すれば、介護者自身の生活の質にも影響しかねません。

介護度が高いほど負担も重くなる

介護の負担は、介護が必要な人の状態によって大きく変わります。

厚生労働省の調査では、同居の主な介護者の介護時間について、要介護3以上では「ほとんど終日」が最も多くなっています。また、介護時間が「ほとんど終日」となるケースでは、介護者の続柄として「配偶者」が64.6%を占めました。

高齢の夫婦が互いに支え合うことは重要ですが、介護が重度になるほど家族だけで対応するには限界があります。介護保険サービスや訪問介護、通所介護などを適切に組み合わせ、介護者の負担を軽減する視点が欠かせません。

介護サービスは「家族を支える」役割も持つ

介護を必要とする本人への支援だけでなく、介護を担う家族への支援も重要です。

家族が無理を重ねてしまえば、介護疲れや共倒れにつながる可能性があります。特に老老介護では、介護者自身が支援を必要とする立場になることも想定しなければなりません

そのため、介護事業者にはサービスを提供するだけでなく、利用者本人と家族の状況を把握し、必要に応じてケアマネジャーや医療機関、地域の相談窓口などと連携することが求められます。

企業にとっても「家族介護」は経営課題

老老介護は高齢者世帯だけの問題ではありません。介護を担う親を支える現役世代にも、仕事と介護の両立という課題があります。

家族の介護を理由に勤務時間を減らしたり、休職・退職を選択したりするケースが増えれば、企業にとっても人材確保や生産性の面で影響が生じます。

だからこそ、介護休業・介護休暇などの制度を整備するだけではなく、社員が早い段階で相談できる環境をつくることが重要です。

「介護する人」も支援対象に

高齢化が進む日本では、介護を必要とする人だけでなく、介護を担う家族への支援も欠かせません。

今回の調査が示しているのは、老老介護が一部の世帯だけに生じる特殊な問題ではなく、社会全体で向き合うべき課題になっているということです。

介護サービスの適切な活用、家族の負担軽減、企業における仕事と介護の両立支援を組み合わせることで、介護する人・される人の双方が安心して生活できる環境を整える必要があります。

介護人材の確保だけでなく、介護を取り巻く家族・職場・地域の仕組みまで含めて支えることが、これからの介護・福祉に求められる重要な視点となりそうです。

出典

・厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」
・厚生労働省「国民生活基礎調査」