2025年の出生数が過去最少に|少子化が企業の採用・人材確保に与える影響

厚生労働省が2026年6月3日に公表した2025年の人口動態統計(概数)によると、日本人の出生数は67万1,236人となり、1899年の統計開始以降で過去最少を更新しました。これで出生数の減少は10年連続となります。
さらに、1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は1.14となり、こちらも過去最低を更新しました。前年から0.01ポイント低下しており、少子化が継続していることが分かります。
少子化は国の想定より早いペースで進行
今回、特に注目したいのが出生数の減少スピードです。
国立社会保障・人口問題研究所が2023年に公表した将来推計では、2025年の日本人の出生数を約74万9,000人と見込んでいました。実際の2025年は67万1,236人となり、推計を大きく下回っています。
出生数の減少は、人口問題だけにとどまりません。将来的に働き手となる世代の減少にもつながるため、企業の採用活動や人材確保にも長期的な影響を及ぼす可能性があります。
企業にとって「採用できる時代」からの転換が必要
これまでの採用活動では、求人を出して応募を待つという方法が一定の役割を果たしてきました。しかし、若年人口そのものが減少すれば、同じ方法を続けるだけでは必要な人材を確保しにくくなります。
特に医療・介護・福祉など、人の力が欠かせない業界では、人材不足がサービス提供体制にも影響する可能性があります。
そこで重要になるのが、単に求人条件を提示するだけではなく、「なぜ、この職場で働くのか」を伝える採用活動です。
仕事内容や給与だけでなく、職場の雰囲気、教育体制、働き方、職員同士の関係性、仕事のやりがいなど、求職者が入社後の姿を具体的にイメージできる情報発信が求められます。
採用と組織改善を一体で考える
人材確保が難しくなるほど、「採用活動を強化する」だけでは十分ではありません。
せっかく採用した人材が早期に離職すれば、再び採用コストや現場負担が発生します。そのため、採用と同時に、定着しやすい職場環境を整えることも重要です。
例えば、入社後の教育体制を整える、業務負担を見直す、管理職と職員のコミュニケーションを改善する、評価制度を分かりやすくするなど、組織そのものを見直す視点が欠かせません。
「採用する」から「選ばれる・定着する組織をつくる」へ
少子化が進む現在、企業にはこの発想への転換が求められています。
人口減少は、短期間で解決できる問題ではありません。だからこそ、企業側が今できることを一つずつ見直し、採用力と組織力の両方を高めていくことが、これからの人材確保につながると考えられます。
出典
厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計月報年計(概数)の概況」
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」


